ベトナム・ホーチミンの戦争博物館で感じたこと *閲覧注意
2018/07/09
みなさん、こんにちわ。
世界を旅するノマドブロガー、かつお(@katsuyamamoto)です。
先月僕は、10年ぶりにベトナムはホーチミンを訪れたんですよね。
ホーチミンと言えばベンタイン市場やアオザイなどのおしゃれなショッピング、あるいはフランス統治の面影が残る、おしゃれなカフェやフランス料理が安く食べれることで非常に有名ですが、ぜひ足を伸ばしていって欲しい場所があります。
それがホーチミン市内のど真ん中にある、war musieum=戦争博物館です。
日本にも似たような場所として、靖国神社の遊就館などもありますが、第二次世界大戦はどちらかと言うと、昔の戦争というイメージが強いかと思います。
しかし、1960年代に起こったベトナム戦争は、ある意味で近代的な戦争と呼べるでしょう。
近代的な戦争で犠牲になるのは、軍人だけではなく、一般市民が多いのです。
その近代戦争の悲惨さを、後世に語り継ぐために、この戦争博物館は存在しています。
目次
いざ、ホーチミンの戦争博物館へ!
場所はベンタイン市場からもそう遠くない、どちらかといえばど真ん中にあります。
統一会堂の真裏です。
入場料は確か15,000ドンくらいだったかと思います。
日本円に直すと約70円ぐらいでしょうか。
営業時間は、早朝7時より正午まで、そして午後13時より夕方の17時30分までとなっており、間の正午から13時の間は、なんとたった1時間の休憩のために、入場者がいても全員外に出されるシステムとなっております。
そのため、11時に入場してしまうと、1時間しか見学ができないことになるので、余裕を持って
10時までに入場する
or
13時〜15時の間に入場する
とよいでしょう。
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いよいよ戦争博物館の中に入場する
博物館の前に陳列されているのは、実際に戦争に使われていた戦車や輸送機。
パットン戦車と言えば、兵器マニアの間では恐ろしく有名な戦車ですよね。。。
中に入ると4階建てになってまして、ベトナム戦争の経過とともに、1フロアずつ順路に従って見ていくシステム。
ベトナムの人から見たアメリカ兵は、こんな風に見えるものなのでしょう。
映画「コンバット」で見られる、優しくてかっこいいG・Iジョーとは、180度違うようです。
一般の村人に紛れたベトコンに、アメリカを始めとする西側陣営は、相当手を焼いたようです。
ベトコン(北ベトナム陣営のスパイ)と疑われた村人は、容赦なくアメリカ兵に尋問、拷問、殺害されてしまいました。
ベトコンと疑われた父を殺害され、泣き叫ぶ少女の写真。
胸が張り裂けそうになります。
こちらも、ベトコンと疑われた村人を拷問するアメリカ兵の写真です。
血が頭のほうに溜まり、長時間吊るされると、下半身が使い物にならなくなります。
こちらは超有名な沢田教一さんの、ピュリッツァー賞を受賞した写真、「安全への逃避」です。
幼い我が子を抱えた母親が、家族を守るために必死でメコン河を渡る写真は、世界に衝撃を与えました。
迎撃ミサイルで撃ち落とされ、空中分解するアメリカの爆撃機。
戦争時にしか見れない、とても恐ろしい写真です。
殺傷能力の高いナパーム弾で、たくさんの子供が傷つき、死んでいきました。
爆撃により傷ついた母親を、手当てすることもできず、泣き叫びながら見つめる子供たち。
このような悲劇がたった50年前までリアルな現実であったとは、想像もできません。
アメリカ軍の落とした爆弾によって、右腕と右足を失った娘を、心配そうに看病するお父さんの写真。
こちらは左腕と左足を失った子供の姿を、カメラを向けなさいと言ってこちらに見せる母親の写真。
世界中にアメリカの横暴を告発したいと言う、怒りからの行動だったようです。
徹底的に破壊して、全員を殺せと言うアメリカ軍の指令の下、ベトナム戦争中の10年間で、アメリカ軍は約400キロのダイオキシンを含む8000万リットルの化学物質や枯葉剤を、ベトナムの25%にあたる国土にばらまきました
その結果、枯葉剤被害者として数十万人が死亡、現在も数十万人の被害者が苦しんでいるそうです。
枯れ葉剤の影響で、枯れてしまったベトナムのマングローブ。
そこで立ち尽くす少年とのコントラストが、絶望と希望のコントラストにも見えるような写真。
枯葉剤の後遺症に苦しんでのは、有名なベトちゃんドクちゃんだけではありません。
歴史にも残らないような、本当に一般の市井の子供たちにまで、深い傷を残していったのです。
傷ついたのは、ベトナム人だけではありませんでした。
枯葉剤を吸引したベトナム帰還兵が、米国に帰ってできた自分の子どもに、手足がないというような事例が相次ぎました。
タバコを手に持ちながら、ベトナムの村民を拷問するアメリカ兵。
頭に布をかけ、耳から水を入れ、溺れさせるのを楽しんでいるような写真です。
これも有名な写真です。
爆弾でバラバラになった敵兵を、虫けらのように扱うアメリカ兵。
ベトコンと疑われたベトナム村民を、戦車の後ろにロープで括りつけ、死ぬまで引きずる拷問。
戦争は、人間の心を獣に変えるのです。
家族であろうと、赤ちゃんであろうと、女性であろうと、妊婦であろうと、戦争は全員に等しく、犬死にをもたらします。
幼い弟をかばうように、上からおおいかぶさって守る兄。
この後、2人の死体が確認されたそうです。
ベトナムの村民に、ライフル銃を向けるアメリカ兵。
カメラマンがカメラを向けたとき、命ごいをする村人たちをとらえました。
しかしながら、カメラマンが立ち去った後、ライフルの銃声が響き渡り、全員の倒れる音が聞こえたそうです。
銃口を向けられ、恐怖におののく1番左端の女の子の顔が、胸に残ります。。。
最近話題になった、Facebookから強制削除が問題となった1枚の写真がこちら。
アメリカの爆撃に、泣きながら逃げ惑う子供たちの写真。
なぜこの写真がSNSで拡散禁止となるのでしょう?
Facebookの説明によると、この少女の全裸写真がポルノ規制に引っかかるとのことですが、そんなことよりも、戦争の悲惨さを伝えることの方が大切なのではないでしょうか?
戦争博物館を出てから感じたこと3つ
所要時間2時間。
いやー、重かったです、正直。
でもこれを、重いからという理由で直視しないと、また同じような悲劇が繰り返されることになるかもしれないんですよね。
なので、勇気を持って見に行ってよかったです。
そこで、この戦争博物館に行ってみて感じたこと3つです
1 パラダイムシフトを感じれる
おもしろいなー、と不謹慎にも思ってしまったのは、ベトナム戦争の勝利者である北側陣営=共産主義から見たベトナム戦争の視点。
アメリカと同盟国である日本に住んでいる僕たちからしてみれば、共産主義や社会主義のロシア、中国、ベトナム、キューバなどは、悪では無いですが、どちらかといえば向こう側といったイメージがありますよね。
でもこの博物館から見た西側諸国= 資本主義国家は、同じく悪ではないけど、どちらかといえば向こう側の国、ととらえられている感覚を受けました。
博物館の前に陳列されているのも、日本の共産党からの激励のメッセージや、世界中の共産主義シンパがデフォルトになっている。
自分の住んでる世界が、世界の中心ではない。
まさにオーストラリアの地図です。
視点が変われば世界が変わる。
そんな、いい意味でのパラダイムシフトを感じることができます。
2 情報化社会は戦争を止める力となり得るか?
有名なトンキン湾事件というアメリカの謀略からベトナム戦争は始まりましたが、そのトンキン湾の捏造を暴いたのは、マスコミの力でした。
そこから、アメリカでヒッピーたちの反戦運動のムーブメントから市民運動へと広がり、世界中の人たちがデモなので反戦を訴えました。
これがベトナム戦争を終わらせた1番大きな要因だと言われています。
だとすると、インターネットの力も、戦争を止めたり終わらせる抑止力になるはずなのですが、なぜかシリアの内戦などは終わる気配がありません。。。
民主主義国家においては、為政者は、大衆が戦争を望めばその通りにするでしょうし、大衆が戦争を忌避し、戦争を起こす人を次の選挙で選ばないメカニズムであれば、民衆の力は戦争止める力となります。
しかし問題は、選挙のない国の為政者です。
また、FacebookなどのSNSが、世界中で見られている今のネット社会で、昔よりも戦争の現場の悲惨さを、瞬時に世界の人々が知ることができる今は、確かに昔よりも戦争を止める力となっているかもしれません。
しかしながら、自国に有利な報道しかしないマスコミの姿勢や、いたずらに敵対心を煽るような報道は、結局それらのメリットを相殺してしまうデメリットとなる危険性もあると思います。
この情報化社会を、戦争を止める力にするのか、戦争をさらに煽る力とするのか、私たちにゆだねられているように感じました。
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3 戦争は100%悪である
これはもう、断言できます。
結論、やっぱり戦争は100パーセントの悪です。
何の関係もない、一般市民が、幸せな日々を享受する権利があるはずの人たちが、人生の理不尽さを恨みながら死んでいく。
そんな世界にだけは、二度と後戻りさせるようなことがあってはならないと強く感じました。
まとめ
何というか、本当にホーチミンの旅で一番心に残ってるのは、この戦争博物館なんです。。
もっと楽しい思い出や、ホーチミン娘とのロマンスがいいのですが、一番の思い出はこれ。
あと、博物館前で客待ちをしているタクシーのメーターは、ルーレットか!くらい速く回るので、皆さん注意してくださいね。
ベトナムのタクシー料金・ぼったくりを避けるためのポイントについて書きました。
ハノイのおすすめグルメでは、地元民に人気のサンドイッチのお店を紹介しております。
日本から格安でベトナムに行ける飛行機で、成田or関空から安くベトナムに飛べるエアラインについて書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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