キューバの旧市街(オールド・ハバナ)を観光して感じた3つのこと
2018/02/01
みなさん、こんにちわ。
世界を旅するノマドブロガー、かつお(@katsuyamamoto)です。
先日、社会主義国家であるキューバの首都ハバナに1週間ほど滞在してきました。
チェゲバラが好きだったわたしにとって、彼が命をかけて成し遂げたことが、今は一体どうなっているのか?と言うのを、この目で確かめたくなったのです。
ご存知のようにキューバは共産主義であり、なおかつ社会主義国家。
我々のような民主主義&資本主義が当たり前とする常識からは、遠くかけ離れていた国でした。
自分と違う視座は、自分の視野を広げてくれます。
今日はわたしが、キューバのオールドハバナ(旧市街)を観光して、特に強く感じたことについてお話ししたいと思います。
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目次
キューバの旧市街(オールド・ハバナ)と新市街
今から500年ほど前に、スペイン人によって建設されたオールド・ハバナ(旧市街)は、その周辺にある4つの城塞を含め、ユネスコの世界遺産に登録されています。
もう一方の新市街は、住宅地というか目立った観光スポットはほとんどなく、ご覧のように革命広場にあるチェ・ゲバラやカストロのビル壁画が有名くらいでしょうか。
それと比べて、世界遺産だけあってオールド・ハバナではスペイン統治時代の建物の多くを見ることができる。
なので、観光するならもっぱら旧市街がオススメなのです。
でも、せっかくキューバに行ったら、この21世紀においていまだに共産主義と社会主義を両立させているという国家体制、それに伴う人間の本質みたいなもの、つまりハードではなくソフトの部分から、何かを感じることをおすすめします。
オールド・ハバナを観光して感じた3つのこと
というわけで、新市街は1日だけで、あとはずっと旧市街(オールド・ハバナ)に滞在していました。
そこで今回の旅で感じたことを、忘備録としても書いておこうと思います。
経済制裁の凄まじさ
まず感じた事は、キューバにおけるあまりの物資の少なさ。
一応、旧市街のメインストリートのデパート(?)に入ったのですが、品揃えの少なさに驚きます。
食料品なども、ご覧の通りキューバ産のものがズラッと並んでますが、種類は少ないです。
西側陣営の最大のボス、アメリカにより経済制裁を受けているキューバでは、ご存知のように経済制裁のため、貿易封鎖によって物資が入ってこないんですよね。
そこで有名なのが、キューバの街並みを走るアメリカのクラシックカーの風景なのです。
とにかく、新しい自動車が全く手に入らない。
自動車を自国で生産できる国は限られており、その最も技術を要するのはエンジンであると言われてます。
キューバがアメリカから経済制裁を受ける前の、いわゆる古き良き時代を象徴するアメリカのクラシックカーが、キューバで所狭しと走っているのは、こういう理由からなんですね。
実際にオールド・ハバナを古いクラシックカーのタクシーで走ってみても、外から見る分には良いのですが、実際に乗ってみるとクーラーの効きが悪いわ、エンストしまくるわ........で、クラッシックカーはやはり乗るものではなく見るものだ、と痛感した次第です。
キューバに行きたがる旅人にその訳を聞くと、「古き良きアメリカのクラシックカーが走っている光景が見られるから」と呑気な答えをする人(自分もその1人だった)が多いですが、当のキューバからしてみれば、とにかく喉から手が出るほど新しい車を欲しがっているのです。
また、レストランに行けば、ほとんど味付けのない食材の味を味わされることになります。
宿泊していたCASA(B&Bのような民泊)近くの、一応四ツ星ホテルで朝食ビュッフェがあるということで行ってきました。
こちらがその四つ星ホテルです。
朝からそこそこ人が入っていたので、ある程度人気のあるレストランだと思います。
この朝食ビュッフェにて、最大限に選り好みしてできたプレートがこちら。
食材はほとんどその生の食材の味に近く、日本からキューバに行かれる方は、調味料が必須(これは冗談ではありません)になっております。
また、オールドハバナにある日本食のレストランで、日本食堂というのがあります。
関西出身の女性(行きの飛行機でこの方のお母さんと隣の席でした)がハバナにて経営しているのですが、チキンカツ定食はとてもおいしかったのですが、味がやはり様々なものを代替して作られている感じ。
日本にいたら当たり前のように感じるけれども、今の世界はグローバルでボーダレス。
他国と交わらなければ、自国の食材のみでおいしい料理を作ることさえも、不可能な時代になってしまっている。
日本がハル・ノートの通告によってやむなく真珠湾攻撃をしたというのが、今日の右寄りの人たちの主張ですが、その是非はともかく、あの時代にアメリカに全ての貿易を封鎖されるということは、このような状態になっていたかもしれないということなんですね。
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人は競争しなければならない
キューバでは1部の例外を除いて、国民の95%が国家公務員であると言われてます。
前述のレストランでの話、プレートに料理を載せて席に戻ってみると、ホテルのビュッフェではありえないものが、僕のジュースで浮いているではありませんか...........。
早速、店のスタッフの方に伝えて、すぐ新しいコップを持ってくるようお願いしたのですが、5分待っても10分待ってもなかなか新しいコップを取りに行ってくれる気配はありません........。
彼らからしてみたら、がんばってもがんばらなくてもお給料は国から保障される公務員。
なので、過剰なサービスをする人は全くと言っていいほどいないんですよね。
チップが望めるCASAのおばちゃんや、タクシーのおっちゃんはとても笑顔でサービスしてくれるのですが.......。
なので、キューバでは店(そもそもそんなにありませんが)には必ずと言っていいほど、長蛇の列が並んでいます。
サービスの効率化や、迅速なオペレーションといった概念は全く存在しません。
とにかくどこへ行くにも何を買うにも、常に30分以上並ばなければいけないと言う苦痛。
外貨両替所に並ぶのは、この国の人を含め時間が限られているツーリストであるにもかかわらず、この長蛇の列。
ちなみに、この両替所は16時で閉まるのですが、16時前に行くとあからさまにめんどくさそうな顔をされます。
僕の知人は、16時01分に入店した時、舌打ちをされたそうです。
僕がハバナに到着する2日前、キューバはハリケーンに見舞われ、高潮により道路が浸水状態になったそうです。
しかし、それから数日たっても封鎖された道路はそのままで、ゴミの清掃もそこまで進んでいません。
国が何でもやってくれるシステムからは、自分たちでなんとかしようと言う発想には、なかなか繋がらないんだなぁと実感。
また、キューバは実質、一国2通貨制度を導入しています。
上の自国民が使える人民ペソとは別に、ツーリストたちが使えるキューバでの兌換ペソが用意されているからで、その価値はキューバペソの10倍の価値があると言われています。
つまり、ツーリストは、キューバの人たちが購入する約10倍のお金を支払うことになります。
なのでキューバ人からしてみたら、国家公務員よりもツーリスト相手に外貨を稼ぎ、その稼いだ外貨を両替所で換金してもらえれば、10倍の収入になると言うわけです。
誰かの為に働く、というのは美談だけれど、リチャード・ドーキンスが言うように、人間がもし「利己的な遺伝子の乗り物」に過ぎないのであれば、本質はやはり自分のために働かなければいけない、と感じました。
共産主義の美辞麗句は理想的だけど、現実にこれが世界で最も成功した共産主義の現実なんですよね。
人は外の世界を見なければならない
そんなキューバでも、素晴らしいと思ったのは教育が無償化されていること。
わたしが朝のオールドハバナを散歩している時も、貧しい国ではあまり見られない光景(母親が子供の手を引き、学校に通学させている様子)が見られました。
しかし、皮肉なことに、学校などで学んだ子供たちは、その多くがアメリカへの亡命を希望すると言うことでした。
キューバ政府は、おそらくその教育の中で、反アメリカの教育を施しているはずです。
にもかかわらず、きちんと学んだ人たちは、やはり資本主義と民主主義の国に亡命するのです。
キューバと言えばバレーボールや野球が強いことで知られていますが、バレーボール選手や野球選手になる子供たちのその多くは、有名になってアメリカや他の資本主義国家に亡命したいのが本音だそうです。
深夜1時、オールドハバナのメインストリートを歩く。
通常貧しい国のスラム街は、治安がとても悪いのですが、キューバは治安だけはよかったです。
通りを歩いているだけで、パッと見ればペネロペ・クルスのような20代前半の大人びた、とても可愛い女の子が、腕を組んできて自分を買ってとせがみます。
一晩の料金は、なんとたった50ドル。
繰り返しますが、ペネロペ・クルスのような、めちゃんこ可愛い子です。
この国の若者は、外の未来を見ることができなければ、こうして自分の価値を下げてしまう仕事につかざるを得ないのです。
キューバではネットのインフラも脆弱で、例えばツーリストがキューバでネットをやろうと思ったら、1時間2ドルで、wifiスポットへのアクセス番号が書いてあるカード購入しなければいけません。
コインなどでスクラッチを削り、このカードに書かれている番号を打ち込めば、非常に低速なネットサーフィンができることになってます。
そのWi-Fiスポットはハバナ市内でも高級ホテルを含め数件しかなく、一般の人にも開放されている公共のWi-Fiスポットは公園のみ。
その公園も人だらけでつながりが極めて悪く、スピードも非常に遅い。
夜になれば比較的人が少なくなっているから…と言う理由で夜にその公園に出かけてきましたが、同じことを考えているキューバ人で溢れかえってました。
またこのカードを1枚買うためにも、約30分ほど並ばなければいけないんです。
社会主義のキューバに生まれたら、外の世界を見ることは容易ではありません。
そして、外の世界を見なければ、その与えられた箱庭で、それなりの幸せを享受しながら貧しく生きていくことが可能です。
でも、映画「マトリックス」ではないけれど、せっかく生まれてきたなら、たとえ過酷なものでも世界の真実の姿を見てみたい。
今回キューバへの旅で、特に強くそう感じました。
あー、わたし日本に生まれてよかったなー。
まとめ
もちろんキューバにもいいところがたくさんありますよ。
まず共産主義なので、前述したように教育が無料。
また、医療も無料で、食料や主な食材は国から配給されるため、飢える心配はほとんどない。
また、キューバがこれほど貧しい国であるにもかかわらず、治安がそこまで悪くないのは、人から何かを奪ってまで、生活に困窮しているわけでは無いからかな。
また、お金を得てもそれを使うお店がほとんどない。
お金の必要性を、そこまで喚起されないからかもしれない。
娯楽と言う意味では、キューバははっきり言って楽しくない。
いや、日々の当たり前に享受できる娯楽から考えると、はっきり言ってキューバは退屈でしょう。
でも。
いやだからこそ。
わたしはこの時期にキューバに行って、本当に良かったと思っている。
今のこの日本に生まれ、夢を持ち、仕事を自分のために頑張れる事が当たり前ではないと言うことが実感できました。
トランプゲームの大富豪にたとえれば、日本に生まれたことそれだけで、ジョーカーを2枚、2を4枚(大富豪では一番強い)持ってスタートできるのだと、気付くことができたのでした。
今、トラベラーに人気の渡航先としてキューバが選ばれる理由とクラシックカーの関係みたいなのを書いてみました。
ちまたでは定説となっている、キューバ入国の際の海外旅行保険証明書は必要か!?を検証してみました。
キューバ・バラデロのオール・イン・クルーシブホテルは期待はずれだった、とんでもなく失敗談です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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