おすめの宇宙本「人類が生まれるための12の偶然 眞淳平」の書評・レビュー
2019/01/22
みなさん、こんにちわ。
ノマド旅人ビジネスオーナーの、かつお(@katsuyamamoto)です。
忘れてしまいたいことや、どうしようもない悲しみに包まれたときに、人は宇宙の本を読みたくなるのでしょう。
読んで 読んで 読まれて 読んで 読んで 読み疲れて眠るまで 読んで.........
やがて人は静かに「全ては必然」と悟るのでしょう。
本日は僕がおすすめする宇宙本の中で、めちゃんこおもしろい本「人類が生まれるための12の偶然」を紹介をしたいと思います。
人類が生まれるための12の偶然のおもしろいポイント
よく、地球に人類が生まれたのは奇跡に近い!と言う言葉を聞きますが、一体「何」が「どのよう」に、奇跡に近いのでしょうか?
この「人類が生まれるための12の偶然」は、その問いに「何」が「どのよう」に奇跡なのか?を、12の項目から検証して答えてくれます。
壮大なスケールで話が綴られていくので、読了後は価値観が変わると言う人、多いんじゃないかなと。。
ちなみに僕が、この本を読んで面白いなぁと思ったのは、以下の3つのポイントです。
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宇宙に関するうんちくがたくさん
科学本や宇宙本といったものは、新しいサイエンスの知識を仕入れさせてくれます。
この「人類が生まれるための12の偶然」も例にもれず、宇宙に関するうんちくが随所にちりばめられています。
例えば、以下の箇所。
宇宙誕生をビックバンと同じことだと捉えている人も多いようですが、現在の宇宙物理学では、まず宇宙の誕生があり、その後のインフレーションによる宇宙の相移転から、ビックバンが起きたと考えられています。
ビックバンによって宇宙が誕生したわけではなく、無の状態から宇宙がトンネル効果によって誕生し、そこから急速にインフレーションして膨張していき、それからビックバンが起きたと言うこと。
ビックバンは1秒の1兆分の1の、さらに1兆分の1の、さらに1兆の1の間に、光速を超えるスピードで宇宙を何万光年先まで広げたそうです。
という事は、同じスピードで宇宙が縮小してきた時、気づかないうちに世界が消えてしまうこともあり得るのではないか?
そしてパラレルワールド論を前提として考えるのであれば、個人個人にそれぞれの世界、それぞれの宇宙があるのであり、急速に宇宙が収縮していって、自分の世界から宇宙が消えること=死、となるのかな。
また、以下の引用は、恐竜が絶滅した原因となることで有名な、ユカタン半島に隕石が落ちたときの描写です。
今から約6500万年前、直径約10キロメートル以上の巨大な隕石が、メキシコユカタン半島の北西部にあるチチュルブ村の付近に落ちました。
この隕石を海に沈めるとどうなるでしょうか。
地球の海の深さは、平均で4キロメートル前後です。
これで考えると、海中に沈むのは、隕石の4割ほど。
残りの約6キロメートル分は、海の上に突き出た形になります。
この時隕石は、空気の抵抗によって太陽の100倍以上の明るさで輝いていました。
地球に衝突した大隕石は、大爆発を起こします。
その規模は、地球上にある全ての核兵器のエネルギー総量の1万倍以上と言う凄まじいものでした。
隕石の衝突で、地殻は揺らぎ、巨大地震があちこちで頻発しました。
海では、最大で高さ300メートルにもなる巨大津波が発生します。
さらに、ちりやススが数ヶ月から1年にもわたって太陽光を遮り、内陸部の気温は何十度も下がってしまいます。
薄暗い中で、植物は光合成ができずに次々に枯れていきます。
それによって、草食動物も、それを餌にしていた肉食動物の死滅していったのです。
その規模について、地球上にある全ての核兵器のエネルギー総量の1万倍以上!と言う数字に、まずやられます。
10キロメートル四方と言うと、地球からすれば小さな物体の衝突であるにもかかわらず、衝突のスピードが相乗されることによって、凄まじいエネルギーを放出するんですねー。
スピードを相乗させることによって、衝突のインパクト.....で思い出すのが、キン肉マンのウォーズマンとバッファローマンとの対戦。
スクリュードライバーに速度と回転を相乗させて光の矢となり、バファローマンの角を1本折る話、誰かわかります?
そして、その時の衝突のインパクトによって生物が絶滅したわけではなく、そのインパクトの凄まじさから空に巻き上げられた、ちりやススが地球の表面を被って1年以上太陽光線を遮ったことによって、まずは植物が光合成できずに死んでいき、それによって草食動物やそれを餌にしていた肉食動物の恐竜が、連鎖的に死滅していったんですね。。
わかりやすい例え
眞淳平さんの本は、いわゆる難解な科学本ではありません。
誰にでも平易に読めるように、分かりやすい言葉、わかりやすい例えで話してくれているので、とても読みやすいんですよね。
例えば、人がこの世に誕生することが、どれほどの奇跡なのか?の例えを、以下のように表現してくれています。
これをイメージするために、1億人によるマラソンレースを考えてみましょう。
ゴールはもちろん卵細胞です。
仮に、空中や地中を使わず、地上だけでの競争だとして、隣の人と前後左右1メートルずつの間隔で1億人の選手が並ぶとすると、選手全員ではなんと、10キロメートル四方に広がっなければなりません。
10キロメートルと言うと、東京の山手線の直径位です。
その中で、あなたが1等賞とることなんて、本当に可能だと思いますか?
山手線と表現するあたり、完全に東京の人しかわかんねーよ!と言うツッコミが来そうではありますが、それでも他の難解な解説よりも、はるかに分かりやすい表現だと思います。
難解な話を難解に伝えることよりも、難解な話をどれだけわかりやすく伝えるか?と言うところに、科学本の著書の実力が問われると思います(何様?)
竹内薫さんの本も、文系の人にもわかりやすいですよね。
すべてが必然だと思わせてくれる
この「人類が生まれるための12の偶然」の、読んだ人の1番共通する感想は、おそらくこれだと思います。
人類が生まれたのは決して偶然なんかじゃない。
本のタイトルは12の偶然、となっているんですが、この12の偶然が、これまた偶然に起こる事は絶対にありえない。
この本は、すべて重ならなければ地球に人類が絶対に誕生しない12の偶然について、一つ一つ章ごとに説明してくれているんですよね。
例えば、太陽の大きさについての偶然について。
ところが計算によると、太陽の10倍以上の質量がある星の場合、非常に強力な紫外線が放射し、周りにあった円盤型のガスを全て吹き飛ばしてしまうと言うのです。
もし太陽がそうであったら、太陽の周りに惑星はできなかったことになります。
太陽がそうした巨大星でなかった事は、地球にとって幸運なことだったのです。
さらに、巨大星だと、その寿命が短くなると言う問題も起こります。
星が巨大になればなるほど、その内部での燃焼活動が盛んになり、星が早く燃え尽きてしまうのです。
今の太陽ほどの質量の星であれば、110億年程度は星でいられる期間となります。
しかし、太陽の2倍の質量物星であれば約15億年、太陽の5倍だと1億5000万年位といったように非常に短くなってしまうのです。
もし太陽の寿命がここまで短いと、その惑星である地球の生物に、進化のための時間はほとんどありませんでした。
他の惑星であっても、1億年あるいは1億5000万年といった短期間では、高等生物が誕生することは難しいはずです。
単純に太陽が2倍なのであれば、星の寿命も1/2になると思いがちですが、そういうわけではなく、約8分の1になるんですね。
そのぐらいの期間しかないと、地球に生物が誕生して、高等生物まで進化することが難しいであろう、と著者が結論づけています。
つまり今の太陽は、地球に人類が誕生するためにベストな大きさであったと言うことです。
しかしそのベストの大きさの太陽も、今から50億年後には太陽の表層が地球の軌道に到達し、この頃には人類がテラフォームをして宇宙外へと出ていかなければいけないと言う警告をしています。
今から50億年ぐらいすると、太陽の表層が地球の軌道付近にまで達します。
地球は、それによって溶かされ、蒸発してしまいます。
これが地球の最後です。
なお、人類が生存できる環境としての地球には、もっと早く終わりが来ます。
太陽は、1億年で1%ほどの割合で、エネルギーを外に放射する光度が増え続けています。
それに伴って地球が受け取るエネルギーの量が多くなり、このまま行くと、あと10億年もしないうちに、地球の表面温度は約100度にまで上がる可能性があります。
まだ充分すぎる時間は残っていますが、タイムリミットははっきりと決まっています。
人類が宇宙へと進出していくことは、生き残りのためにも必要なことなのです。
また、個人的に面白かったのは木星の存在と人類の誕生における相関性。
もしも太陽系に木星と言う巨大惑星が存在しなかったら、地球と衝突した彗星の数は1,000倍ほどにもなっていただろうといいます。
そうなんですね。
木星と言う巨大な質量を持った惑星が太陽系に存在してくれているお陰で地球に降りかかる彗星は、その軌道を変えて木星側に寄ってくれるのであります。
つまり、木星がないと我々人類が最も恐れるのは核兵器なんかよりも彗星の衝突と言うことになります。
また、この本の読了後は、夜空にかかるお月様を見上げた時の感情も、きっと変わるはずです。
地球や月が誕生した当時、地球の1日は約6時間だったと考えられています。
地球は、今の4倍と言う高速で自転していたのです。
しかし、海が月に引っ張られたことで、地球の自転にブレーキがかかったのです。
月は、地球の周りを回りながら、地球の海を引っ張り続けます。
すると、何が起きるでしょう。
海の水と海底との間に摩擦が生じるのです。
それによって地球の自転には、月によるブレーキがかかりました。
自転の周期が8時間と言う過酷な環境では、そこに適応し、進化する生物も、現在の地球の生物とはかなり異なった姿になるはずです。
例えば、強風がいつも吹いているため、植物がたくさんの葉をつけることができなくなりそうです。
たとえうまく葉をつけることができたとしても、すぐに吹き飛ばされてしまうでしょう。
また、多くの葉をつけた際、強い風の影響受けやすく、倒されやすくなってしまいます。
そのため植物は、葉を守るために、地を這うように伸びることが多くなると考えられます。
なるほど。
つまり月がなければ地球の自転速度は、今のスピードの4倍でぐるぐる回っていたはずなので、非常に強い遠心力が働くと考えられます。
きっと、地球上の至るところで嵐が吹き荒れていた。
また月の引力があることによって、波が生じて、その月の満ち欠けよって潮位ができ、それが岩礁に当たって砕けて気泡ができ、それが好気性のバクテリアを発生させた原因になったとも言われています。
前述した太陽の大きさや木星の存在だけでなく、その昔、巨大な隕石の衝突(ジャイアントインパクト)の残骸である月の存在がなければ、地球上に人類が存在しなかったことも、偶然に重なってなければ、人類は誕生していない........。。。
もうね、なんか何もかもが奇跡のように思えてくるんですよね。
まとめ
と言うわけで、あまりにもおもしろくて旅の道中で一気に読了してしまいました。
おもしろい宇宙の本、宇宙の壮大なスケールを感じたい人、おすすめの一冊ですよ!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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